車買い替え案内人この記事では、ルーミーターボの見分け方はこれでOKと題して、タイヤとスイッチで即判断する方法について解説します。
街中で見かけない日はないほど大人気のトヨタのルーミーですが、購入を検討されている方や中古車を探している方にとって、非常に悩ましい問題があります。
それが、ルーミーのターボ見分け方に関する疑問や、どちらのモデルを選ぶべきかという迷いです。
見た目はそっくりなのに中身は別物であるため、もし間違って自分に合わない方を選んでしまうと、購入後にパワー不足や維持費の面で後悔してしまう可能性も否定できません。
私自身も多くの車を乗り継いできましたが、この手のグレード選びはカタログだけでは判断が難しく、実車を見て初めて気づくポイントも多いものです。
そこで、この記事では、ボンネットを開けなくても分かる外観の違いから、エンジンのメカニズム、そして実際に所有した時の満足度の違いまで、車好きの視点で徹底的に解説していきますね。
- タイヤ側面の数字で即座に判別する裏技
- 運転席のスイッチ一つで見分ける確実な手順
- エンジンルーム内のパーツによる最終確認法
- 坂道や高速道路で感じる決定的なパワーの差
- 維持費やリセールを考慮した賢い選び方


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- 燃費重視も乗り心地を優先
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ルーミーターボの見分け方と外観の差


多くの人が「ボンネットを開けないと分からないのでは?」と思いがちですが、実は外観の特定のポイントを見るだけで、高い確率でターボかNA(自然吸気)かを見分けることができます。
まずは、車屋さんに行かなくてもスマホ片手に実践できる、目視での確認ポイントを優先順位が高い順に紹介していきますね。
タイヤサイズで見分けるのが最も確実な方法
一番簡単かつ確実なのが、足回りを見ることです。
実はルーミーの場合、ターボ車とNA車ではメーカーが指定している純正タイヤのサイズが明確に異なります。
これは、エンジンのパワーを受け止めるために必要な接地面積や剛性が計算されているためで、ここを見るのが最も手っ取り早い「プロの確認方法」なんです。
【ここをチェック!】タイヤの側面の数字
- ターボ車 (Custom G-T / G-T):175/55R15(15インチ)
- NA車 (Custom G / Xなど):165/65R14(14インチ)
具体的に言うと、ターボモデルは140N・mという太いトルクに対応し、高速域での走行安定性を確保するために、15インチのアルミホイールが標準装備されています。
タイヤの側面を見て「55」という数字があれば、それはタイヤの厚み(サイドウォール)が薄いことを意味しており、ホイールが大きく、スポーティに見えます。
そして、この「足元の引き締まり感」がターボの証です。
逆に、タイヤの厚みがたっぷりとあってホイールが小さく見える、あるいは「14」という数字が書かれている場合はNAモデルです。
特に、銀色のプラスチック製ホイールキャップが付いている車両(スチールホイール)であれば、それは間違いなくNAのエントリーグレードです。
それと、中古車市場ではホイールが社外品に交換されているケースも稀にありますが、純正状態であればこの判別法で99%正解にたどり着けますよ。
ちなみに、下記画像はルーミーカスタムGTの社外アルミホイールに165/65R14のスタッドレスタイヤを装着したものです。


これは、あくまでスタッドレス用として14インチのタイヤを装着しているのであって、普段は175/55R15のサマータイヤを装着していますよ。
ボンネットダクトの有無は判断基準にならない
これ、本当によくある勘違いなんですが、「ターボ車=ボンネットに穴(空気の取り入れ口)がある」と思っていませんか?
確かに一昔前のスポーツカーやスバル車などは、インタークーラーを冷やすためにボンネット上に大きなエアインテーク(ダクト)が開いていました。
そのイメージが強いため、「ボンネットがつるっとしているからNAだ!」と早合点してしまう方が後を絶ちません。
しかし、ルーミーに関しては、ターボ車であってもボンネットに穴(ダクト)はありません。
ルーミーのターボエンジン(1KR-VET型)は、冷却用空気をフロントグリル(車の顔の部分)の隙間から取り入れて、ボンネット内部のダクトを通してインタークーラーに導く設計になっています。
そのため、外見上のボンネット形状はNA車と完全に同一なんです。
ちなみに、下記画像はルーミーカスタムGT(マイナーチェンジ前)の外観になりますが、ボンネットには穴がありませんよ。


そのため、中古車屋さんで「穴がないからこれ安い方のNAですよ」なんて言われても鵜呑みにせず、必ず他のポイントで確認するようにしてくださいね。
この「思い込み」が、実は一番の落とし穴だったりしますから。
ステアリングのスポーツモードスイッチを確認


もし運転席に座れる状況なら、これが最も確実な「証拠」になります。
まず、ハンドルの右側、ちょうど親指が届くあたりを見てみてください。
そこに「SPORT」というボタン、あるいは走行モードを切り替えるスイッチはありますか?
そして。ターボモデルには、ここぞという時にエンジンの回転数を上げて加速を鋭くする「スポーツモードスイッチ」が必ず装備されています。
このスイッチを押すと、CVT(無段変速機)の制御が切り替わり、エンジン回転数が高めに維持されます。
これにより、高速道路の合流や急な坂道で、アクセルを少し踏むだけでグワッと力強い加速が得られるようになるんです。
ちなみに、下記画像はルーミーカスタムGTのステアリング右側についている「SPORT」スイッチ(マイナーチェンジ前)です。


その一方で、NAモデルにはこの位置にスイッチが存在しないか、あるいは「PWR」やマルチインフォメーションディスプレイの操作ボタンなど、全く別の機能が割り当てられています。
もちろん、NA車にもシフトレバーを操作して「S(スポーツ)レンジ」に入れる機能はありますが、手元のボタンひとつで瞬時にキャラクターを変えられるのは、余裕のあるパワーを持つターボモデルだけの特権なんですよね。
そのため、内装写真だけで判断する場合も、ここのボタンの有無を拡大してチェックするのが有効ですよ。
エンジンルーム内のインタークーラーで判断
中古車展示場などでボンネットを開ける許可がもらえるなら、エンジンルームを上から覗き込んでみましょう。
ここに、機械的な知識がなくても一発で分かる決定的な違いがありますから。
まずは、ボンネットを開けて、エンジンの頭頂部を見てください。
そこに、お弁当箱くらいのサイズをした、銀色のアルミ製パーツ(フィンがついた金属の箱)が鎮座していれば、それは間違いなくターボ車(エンジン型式:1KR-VET)です。
これは、「インタークーラー」と呼ばれる部品で、ターボチャージャーで圧縮されて熱くなった空気を冷やし、エンジンの効率を高めるための非常に重要な補機類になります。
ちなみに、下記画像はルーミーカスタムGTのエンジンルームです。
画像内赤枠部分の装置がルーミーのインタークーラーになります。


これとは逆に、エンジンの上部に黒い樹脂製のカバーやエアクリーナーボックスしか見当たらず、金属の箱がない場合です。
または、エンジンルームの空間がスカスカしていて地面が見えそうな場合は、それはNA車(エンジン型式:1KR-FE)です。
ちなみに、この確認方法は、エンブレムやホイールが交換されていても誤魔化しがきかないため、最終的な「真実」を知るための最強の方法と言えます。
リアのエンブレムやマフラーでの判別は困難
後ろ姿だけで見分けるのは、プロでも至難の業です。
昔の車のように「TURBO」や「GT-TURBO」といった誇らしげなエンブレムが貼られていれば簡単なんですよね。
ただ、ルーミーの場合は年式やグレードによって表記がバラバラだったり、そもそもエンブレムが無かったりすることが多いんです。
また、バンパー形状についても、「カスタム」グレード同士であれば、ターボもNAも全く同じデザインのエアロバンパーを採用しています。
マフラーに関しても、厳密には排圧の関係でパイプ径に数ミリの違いがある場合もありますが、しゃがみこんで定規で測らない限り、目視で判別できるレベルではありません。
そのため、「マフラーが太い気がする…」と後ろで腕組みして悩むよりも、タイヤの数字を見るか、運転席を覗き込む方が、よほど確実で時間の節約になります。
ちなみに、リア周りの情報は「参考程度」に留めておくのが、ミスを防ぐコツですよ。



外観での識別は「15インチタイヤ」が最も確実な証拠です。ダクトの有無は判断基準になりません。また、内装を確認できるなら、ハンドルの「PWRスイッチ」を探すのが、誰でも即座に誤解なく判別できる、プロ推奨の正解ルートですよ。
ルーミーターボの見分け方と後悔しない選び方


さて、物理的な見分け方が分かったところで、次に重要なのが「で、結局どっちを買えばいいの?」という問題です。
実は、検索で「見分け方」を調べている方の多くは、心のどこかで「NAを買って後悔したくない」という強い不安を抱えています。
そこで、ここでは、スペック表には載らないリアルな使用感の違いを、私の経験を交えてお話ししますね。
坂道を登らないという後悔を防ぐ性能差
はっきり言います。もしあなたの生活圏に「長い坂道」がある、もしくは「週末は家族4人で出かけることが多い」のであれば、迷わずターボを選んでください。
ここでケチると、後で本当に後悔することになりますから。
まず、ルーミーですが、広大な室内空間を持っていますが、その分、車重は約1,100kgにも達します。
これは、コンパクトカーとしてはかなりの重量級ですよね?
そして、NAエンジンの最大トルクは92N・mしかないため、大人数乗車で急な坂道に差し掛かると、アクセルをベタ踏みしても「ブオオオオ!」とエンジンが悲鳴を上げるだけ。
アクセルを踏み続けても速度がじりじりと落ちていく…なんて状況に陥りガチなんです。
特に夏場、エアコンを全開にしているとパワーを食われてしまい、さらに走らなくなりますよ。
その一方、ターボ車のトルクは140N・mあり、これは1.5リットルクラスの車(カローラなど)に匹敵する力強さです。
もちろん、坂道でもエンジンの回転数を上げすぎることなく、涼しい顔をして登っていきます。
また、高速道路の合流でも、恐怖を感じることなくスムーズに流れに乗れますよ。
この「余裕」こそが、ターボを選ぶ最大のメリットであり、家族の快適性を守るための投資なんです。
NAとターボの燃費や自動車税の違いを比較
「でも、ターボはパワーがある分、維持費が高いんでしょ?」と心配される方もいるでしょう。
ただ、ここがルーミーの面白いところなんですが、実は経済的な差は驚くほど小さい、むしろトータルで見ると変わらない可能性すらあります。
| 項目 | ターボモデル (1KR-VET) | NAモデル (1KR-FE) |
|---|---|---|
| 自動車税 | 25,000円(同額) | 25,000円(同額) |
| カタログ燃費 | 16.8 km/L | 18.4 km/L |
| 実燃費の傾向 | 長距離・高速が得意 | 街乗り・渋滞が得意 |
(出典:トヨタ自動車『ROOMY』公式サイト)
まず自動車税ですが、ターボ・NA問わず排気量は996ccなので、どちらも一番安い「1.0リットル以下」の区分(年額25,000円※2019年10月以降登録)に収まります。
これはライバルのソリオ(1.2リットル)に対する大きなアドバンテージです。
また、燃費に関しても、確かにカタログ値ではNAが優秀ですが、実燃費では話が変わってきます。
NA車はパワー不足を補うために、発進や坂道でアクセルを深く踏み込む頻度が増えるからです。
その結果、燃料を多く消費してしまい、余裕のあるターボ車と実燃費が大差ない、あるいは高速道路などではターボの方が燃費が良いという逆転現象さえ起こり得ますよ。
そのため、「月々のガソリン代の差額数百円で、毎日の運転ストレスが消える」と考えれば、ターボのコスパは極めて高いと言えます。
カスタムGとG-Tのグレード装備の差を解説


グレード名が似ていてややこしいですが、「Custom G」がNA、「Custom G-T」がターボです。
新車価格での差額は約十数万円ありますが、ターボモデルには単なるエンジン違い以上の豪華装備が付いてきますよ。
- 15インチアルミホイール(見た目がカッコいい)
- スポーツモード制御(走りが楽しい)
- リアスタビライザー(乗り心地が良い・2WDのみ)
- 本革巻きステアリングや専用内装加飾(高級感がある)
この中で私が特に重要視してほしいのが「リアスタビライザー」です。
これは、車の横揺れ(ロール)を物理的に抑える金属の棒なんですが、背の高いルーミーにとって、これがあるかないかは乗り心地や車酔いのしにくさに直結します。
ちなみに、NA車にはこれが付いていないため、カーブでグラっと大きく傾く感覚があります。
「後ろの席に子供や酔いやすい家族を乗せる」という方は、エンジンのためだけでなく、このスタビライザーを手に入れるためだけにターボ(G-T)を選んでも良いくらいなんです。
4WD設定におけるターボモデルの注意点
雪国にお住まいの方、あるいはウィンタースポーツを楽しむ方、ここは要注意です。
実はルーミーのラインナップには落とし穴があり、現行モデルや特定の年式においては、「ターボ車の4WD設定がない(廃止されている)」場合があります。
これは、構造上の制約や燃費基準の関係と言われていますが、結果として「雪道に強い4WDが欲しいなら、パワーのないNAしか選べない」という究極の二択を迫られることがあるのです。
また、中古車市場でも「ターボの4WD」はタマ数が少なく、非常にレアな存在になっています。
そこで、もし中古車サイトで「ターボの4WD」を探しても見つからない場合は、そもそもその年式に設定が存在しない可能性があるのです。
そのため、雪道での走破性を最優先するか、ドライ路面での加速と快適性を取るか、ご自身の住環境と照らし合わせて慎重に判断してください。
馬力とトルクの違いが走りに与える影響
少し専門的な話になりますが、車の「乗りやすさ」を決めるのは、カタログで目立つ「馬力(PS)」よりも、実は「トルク(N・m)」の方なんです。
馬力は最高速度に関係しますが、トルクは「出足の力強さ」になります。
そして、ルーミーのターボは、NAの約1.5倍ものトルクを、わずか2,400回転という低い回転数から発揮します。
これが何を意味するかというと、信号待ちからの発進や、ちょっとした追い越しで「エンジンを唸らせて頑張らなくても、車がスーッと前に出る」ということです。
NA車が「ヴーッ!」と大きな音を立てて必死に加速する場面でも、ターボ車なら静かに、そして力強く加速します。
また、この静粛性とスムーズさは、長距離ドライブでの疲れ方に雲泥の差を生むのです。
そのため、運転していて「車が軽い」と感じるのは、間違いなくターボの方です。
毎日乗る車だからこそ、この「ストレスフリーな感覚」は、お金に換えられない価値があると思いますよ。
まとめ:ルーミーターボの見分け方を活用しよう
ここまでルーミーのターボ見分け方と、それぞれの特徴についてかなり深く解説してきました。
そこで最後に、絶対に覚えておいてほしい要点を振り返りましょう。
- 外観で見分けるなら:タイヤサイズを見るのが鉄則。15インチ(175/55R15)ならターボ、14インチならNAです。
- 内装で見分けるなら:ハンドルの右側にある「PWRスイッチ」を探してください。これがあればターボです。
- 迷ったらどっち?:坂道がある、高速に乗る、3人以上で乗る。これに一つでも当てはまるなら、間違いなくターボが幸せになれます。
- コストの真実:税金は同じ。燃費差も微々たるもの。売却時の価格(リセールバリュー)もターボの方が高値がつきやすいので、実質負担は少ないです。
中古車市場でも「NAだと思って安く買ったら、実はターボだった(ラッキー)」なら良いですが、「ターボだと思って買ったら、走らないNAだった(後悔)」という事態は絶対に避けたいですよね。
そこで、今回ご紹介した見分け方を活用して、ぜひあなたにぴったりの一台を見つけてくださいね。
ルーミーは用途に合ったエンジンさえ選べば、その広さと使い勝手の良さで、最高の相棒になってくれるはずですから。
また、もし「今の車を高く売って、ルーミーのターボに乗り換えたい」と考えているなら、下取りに出す前にしっかり準備することも大切ですよ。



坂道や多人数乗車の機会があるなら、維持費が変わらないターボを選ぶのが賢明ですよ。単なる加速だけでなく、スタビライザーによる乗り心地の良さも手に入ります。迷ったら「大は小を兼ねる」精神でG-Tを選ぶことが、購入後の後悔を防ぐ最善策ですね。
※本記事の情報は執筆時点の一般的なデータに基づいています。正確なグレード構成や装備は年式によって異なる場合があるため、購入前には必ず実車や公式カタログをご確認ください。
